素材やフォントのラインセンスを要約してみた

素材やフォントのラインセンスを要約してみた

配布されている素材やフォントを使うとき、気を付けなければいけないのが、「その素材・フォントがどんなライセンス下にあるか」ということ。ライセンスによっては、無料で使用できてもクレジット表記が必須だったり、改変してはいけなかったりします。でも、ライセンスの原文って難しく書かれていてなかなか頭に入ってこないですよね。

ということで今回は、素材やフォントでよく見るライセンスの詳細について調べ、内容を要約してみました。私自身、理解が曖昧な部分があったので、とても勉強になりました。「この作品を使いたいけど、◯◯って実際どんなライセンスなの?」という疑問をお持ちの方は是非ご覧ください。

パブリックドメイン

著作権や商標権などが消滅したもの、または放棄されたもののことを言います。「誰のものでもない」ということなので、誰もが商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に使用することができます。

パブリックドメインになる場合

  • 権利の保護期間が終了した場合
  • 権利の取得や継続に必要な手続きが行われなかった場合
  • 権利者死亡後に誰もその権利を相続しなかった場合
  • 権利者が権利の放棄を宣言した場合

パブリックドメインであっても、著作者人格権は存在することを忘れてはいけません。著作者の人格を害するような悪質な改変等を行うと、最悪、著作者やその遺族から訴えられます。

参考:
パブリックドメインとは(IT用語辞典)

ロイヤリティフリー

ロイヤリティフリーとは、「決められた範囲内なら何度でも無料で使用できるよ」という意味です。

「『ロイヤリティフリー』って書かれてるのは全部無料なんだ!」と思ってしまうところですが、実はそうとも限りません。ロイヤリティフリーには、「初回だけ使用料を払ってくれたら、あとは決められた範囲内で自由に使っていいよ」という意味合いもあります。ですので、有料の素材屋さんでもロイヤリティフリーを謳っている場合があるのです。

参考:
ロイヤリティフリーとは(IT用語辞典)

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

「CCライセンス」などと呼ばれているライセンスです。以下の条件を組み合わせた6種類のライセンス+CC0があります。

表示 作品のクレジットを表示しなければならない
非営利 営利目的で使用してはならない
改変禁止 元の作品を改変してはならない
継承 元の作品と同じライセンス下において公開しなければならない

CC BY

「表示」が使用条件となっています。クレジット表記さえすれば、商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に使用することができます。

CC BY-SA

「表示」「継承」が使用条件となっています。クレジット表記ライセンスを「CC BY-SA」にすることが必須です。条件を守れば、商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に使用することができます。

CC BY-ND

「表示」「改変禁止」が使用条件となっています。クレジット表記元の作品を加工せず使用することが必須です。条件を守れば、商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に使用することができます。

CC BY-NC

「表示」「非営利」が使用条件となっています。クレジット表記をすれば、非商用の場合のみ、あらゆる用途に使用することができます。

CC BY-NC-SA

「表示」「非営利」「継承」が使用条件となっています。クレジット表記非商用のみの使用ライセンスを「CC BY-NC-SA」にすることが必須です。条件を守れば、非商用の場合のみ、あらゆる用途に使用することができます。

CC BY-NC-ND

「表示」「非営利」「改変禁止」が使用条件となっています。クレジット表記非商用のみの使用元の作品を加工せず使用することが必須です。条件を守れば、非商用の場合のみ、あらゆる用途に使用することができます。

CC0

一切の使用条件がない、CCの中で最も自由度の高いライセンスです。商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に使用することができます。

参考:
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

SIL Open Font License 1.1

多くのフリーフォントで使用されているライセンスです。フォント単体での販売を除き、商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に無料で使用することができます。クレジット表記などの使用条件は一切ありません。

ただし、フォントをそのままの状態、もしくは改変して再配布する場合は、いくつかの条件が定められています。

再配布する場合の条件

  • 著作権者の許可なく、派生フォントに元のフォント名を含めてはならない。
  • 再配布するフォントに、「SIL Open Font License 1.1」以外のライセンスを適用してはならない。
  • 著作権表示とライセンスの明示をしなければならない。

参考:
OFL web version
SIL_Open_Font_License_1.1 – Open Source Group Japan Wiki – Open Source Group Japan – OSDN

M+ FONT LICENSE

商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に無料で使用することができます。フォントを使用したロゴの商標登録なども可能です。クレジット表記などの使用条件は一切ありません。

参考:
M+ FONTS | ABOUT
フォントのライセンスについて | 自家製フォント工房
よくある質問集 | 自家製フォント工房

IPA フォントライセンス v1.0

商用・非商用に関わらず、あらゆる用途に無料で使用することができます。クレジット表記などの使用条件は一切ありません。

ただし、フォントをそのままの状態、もしくは改変してを再配布する場合は、いくつかの条件が定められています。その条件については公式Q&Aページをご確認ください。ライセンス原文よりわかりやすく説明されています。

参考:
IPAフォントライセンスv1.0(IPA Font License Agreement v1.0) | IPAexフォント/IPAフォント

まとめ

今回は素材やフォントでよく見るライセンスについてまとめましたが、ここに書いているもの以外にも様々なライセンスがあります。どのライセンス下の作品を使うにしても、定められているルールを理解し、きちんと守ることが大切です。

ライセンスとは別に使用条件が定められている場合もありますので、配布サイトの規約ページ、もしくはダウンロードしたファイルに同梱されているreadme.txtなどをしっかり確認するようにしましょう。

それでは!